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セルモーターが故障!? 原因や修理について解説

掲載日:2021.11.15 月曜日

車を動かす最初のステップはエンジンをかけることです。セルモーターは、エンジンを始動させるという大事な役割を持っている部品なので、これが故障してしまうと、そもそも車を動かすことができません。

セルモーターは素人がいじれる部分ではありませんが、万が一動かなくなったときのためにある程度の知識を持っておくといいでしょう。ここではセルモーターについて詳しく解説していきます。

セルモーターが故障!? 原因や修理について解説

セルモーターとは

セルモーターとは、エンジンを始動させるモーターのことで、簡単に言うとエンジンをかけるスイッチのような役割を持っています。
車のキーを回すと(スタートボタンを押すと)、キュルキュルという音が鳴りますが、これがセルモーターの音です。

車はエンジンが回転することで動きますが、この回転を与えているのがセルモーターとなります。

セルモーターの構造

車のキーを回すと、バッテリーの電力を使ってセルモーターがクランクシャフトという部品を回転させます。この回転によりエンジンで最初の爆発が起こります。
爆発によりモーターが回り出すと、フライホイールが回転し、エンジンの回転が継続することで、車は走ることができるのです。

セルモーターは故障することもある

セルモーターは、エンジンを始動させるための部品なので、エンジンに関わる部品の中では使用頻度が低くなります。そのため、故障することは滅多にありません。
しかし、「滅多にない」とは言え、故障することもあるので、エンジンのかかりが悪かったり、キーを回したときに異音が聞こえたりする場合はすぐに点検しましょう。

セルモーターが故障する原因とは

セルモーターが故障する原因は2つ挙げられます。
ここでは、どういった原因で故障するのかを解説します。

内部の部品の故障

セルモーターの内部には、モーターを回転させるための回路とギアを動かすための回路がありますが、回路内にはコイルやスイッチなどの細かい部品が使われています。
コイルやスイッチは電力を運ぶ役割をしているので、コイルが断線してしまったり、スイッチの接触不具合が起こったりすると回路が機能しません。
つまり、回路内の部品が破損や不具合を起こすと、セルモーター自体が故障してしまうのです。

セルモーター自体の寿命

セルモーターは頻繁に使う部品ではありませんが、それでも寿命があります。
セルモーター内部にはブラシという部品も使われていて、回転しているモーターに電気を流す働きをしています。
ブラシは、回転している間中ずっとモーターに接触しているため摩耗してしまうので、いずれ接触できなくなり寿命を迎えることになるのです。

寿命は車の使用頻度によって変わりますが、10万キロもしくは10年といわれているので、どちらかのタイミングで交換するのが一般的です。

セルモーターが故障したときの対処法

セルモーターが故障したときの対処法は、当然ですが修理をしてもらうしかありません。
セルモーターの修理には専門技術が必要なので、たとえ知人や友人に「交換できる」という人がいても、必ず修理工場で修理してもらいましょう。

修理の方法は3種類ある

セルモーターの修理の方法は、大きく分けると3種類になります。

  • 新しい部品と交換する
  • 壊れたセルモーター自体をオーバーホールする
  • リビルト品と交換する

これらの方法の中で、もっとも確実なのは新しい部品と交換することです。
ただし、セルモーターはメーカーの純正品となるので、工賃と合わせるとかなり高額な費用がかかります。

オーバーホールは費用を安く抑えられますが、修理箇所が多ければ金額も高くなりますし、壊れているものを直すため修理にかなりの時間がかかります。

費用を抑えつつ、すぐに修理をするには、リビルト品と交換の方法が一番です。リビルト部品は新品並みの高い品質で、さらに製品保証がつくうえに価格は新品の半額程度になるのでおすすめです。

セルモーター修理でかかる費用

セルモーターの修理・交換費用は、工賃を含め30,000円から50,000円が相場となっています。
ただし、修理の方法によって変わるので、予算が限られている方はチェックをしておきましょう。

純正品との交換 30,000円~60,000円
社外品との交換 20,000円~50,000円
リビルト品と交換 10,000円~20,000円

車が廃車になるまで乗り続けるのであれば、純正品が一番長持ちします。
しかし、今後買い替える予定がある、いずれ乗らなくなるという場合はあまり品質にこだわる必要もないのでリビルト品や社外品を使うといいでしょう。

セルモーターの不調は放置NG

セルモーターは目で見える部分ではありませんが、音で不調を事前にチェックすることはできます。バッテリーの電圧低下によって電力が不足すると「ジジジ」という音がします。金属系統の摩耗の場合は「ガリガリ」「ギギギ」という異音がします。
セルモーターの不調を放置すると、他の部品までトラブルが起こることもあるので、「まだ動くから大丈夫だろう」という油断は禁物です。

セルモーターを回したときに違和感があったり、車の不調が気になったりする場合は、自動車分解整備認定工場である当社にご相談ください。