井戸水での洗車で洗車をするとシミができる理由と注意点を解説

車をきれいに維持するためには、洗車は欠かせません。
ですが洗車の際に井戸水を使用すると、車をきれいにするどころか、シミができる危険性があるのはご存知でしょうか。
今回は、洗車に井戸水を使ってはいけない理由について解説します。

井戸水と水道水の違い

洗車に井戸水を使用することがどうして危険なのかを解説する前に、井戸水と水道水の違いについて少し解説します。
2つの水の種類をしっかり確認しておくことが重要です。

未処理水と処理水

井戸水は地下深くに流れる水脈から水を汲み上げた物です。
水脈の深さによって「深井戸」と「浅井戸」があります。
一般的に深井戸は飲料水としても使える物が多く、浅井戸は潅水や洗濯などで使われることが多くなります。

理由としては、深井戸は地中深くに染み込む過程でろ過されるためで、浅井戸はろ過が十分ではないとされるためです。
土や砂、砂礫などでろ過された地下水にはミネラル分が豊富に含まれます。
井戸水は汲み上げた後ろ過処理することは一般的にはありません。
このため水に含まれるミネラル分が豊富ですが、場合によってはごく小さな砂などが混じることがあります。

一方水道水は河川などから取水した水をろ過しカルキなどを使用し殺菌処理を施した水です。
不純物が取り除かれる過程でミネラル分が損なわれることがあり、殺菌の際に使用されるカルキ成分などが気になる場合もあります。
ですが、日本の水道水の品質は高く、安心・安全に飲用できる水として親しまれています。

コストの違い

井戸水は地下水脈をそのまま汲み上げた物で、汲み上げ時にポンプなどを利用している場合には電気代がかかりますが水代はかかりません。

一方で水道水は水代が必要です。
水道代は基本料金と従量料金がかかり、さらに下水が繋がっている場合には水道の使用量に応じた下水道料金がかかります。
水道と下水道とあわせひと月4000円程度が平均値と言われています。

洗車に井戸水を使用しない方が良い理由

井戸水と水道水の違いが分かったところで、どうして井戸水を洗車に使用しない方が良いのかを解説します。

ミネラル分がシミを引き起こす

飲用水として利用可能な井戸水は、ミネラル分が豊富なため天然のミネラルウォーターです。
飲用する分には良いのですが、このミネラル分が車体に残ってしまうとシミを作ってしまいます。

具体的には、井戸水に含まれるカルシウムやマグネシウム、鉄分などが車体に付着し白いシミ状に残ります。
このようなシミができると、通常の洗車だけでは取り除けなくなります。
シミを長期間に渡り放置すると、塗装面が浸食されてしまいます。
その結果塗装面に凹みが生じ、大きなダメージとなる場合があるのです。

細かな砂礫が傷を付けてしまう

井戸水にはごく微量の砂やごみが混入している場合があります。
そのため井戸水を使用するとこれらの砂礫により細かな傷を車体に付けてしまう危険があります。

どうしても井戸水で洗車する場合の注意点

小まめに洗車する方の中には、水道代が高く水道水を使用するのはためらわれるため、井戸水を使いたいと考える方もいるでしょう。
このような場合でも次のような注意点を守れば井戸水によって発生する染みや傷の被害を最小限に抑えられます。

井戸水は仕上げ水として使わない

洗車時の下洗いやカーシャンプーを洗い流すために井戸水を使用しても、最後の仕上げ水として使用しなければシミはできにくくなります。
最終的に車体に井戸水が残らないよう水道水で洗い流すようにしましょう。

車体が乾く前にしっかりと拭き取る

井戸水によって発生するシミは、井戸水の成分が残ることで起こります。
そのため、水分を残さないようにしっかりと拭き上げることでシミは防げます。
車体は水が蒸散する前に拭き上げ、ドアの内側やミラーなどから垂れてくる水も残さないようにします。

できてしまったシミの除去方法

洗車に井戸水を使用したことで既にシミができてしまっている場合の除去方法について紹介します。

イオンデポジット除去剤を使う

洗車に井戸水を使うことで出来たシミの正体は、ミネラル分の結晶です。
このような結晶を除去するためには、イオンデポジット除去剤を使用します。
イオンデポジット除去剤は一般的なカー用品店でも販売されています。
クリーナータイプの物は塗装面以外には使用しないようにしましょう。
ガラスや樹脂、ゴム、アルミといった部分に使用すると劣化する恐れがあるため注意が必要です。
またコンパウンドタイプは磨きすぎると逆に傷だらけになる危険があります。

まとめ

井戸水にはミネラル分が豊富に含まれているため、車体にミネラル分の結晶が残り白いシミができやすくなります。
また細かな砂礫による傷も付きやすいためできれば井戸水を洗車に使用することは避けましょう。

どうしても井戸水を使う時には仕上げにだけは水道水を使うか、ミネラル分も合わせ水分をしっかりと拭き取ることが必要です。

既にできてしまった染みはイオンデポジット除去剤を使用すれば取り除けます。
ですが、しつこい染みは市販のイオンデポジット除去剤では落としきれない可能性があります。
染みが落ちない場合は、車の塗装に詳しい当店にご相談ください。