外出しようと車に乗り込み、キーを回しても、スタートボタンを押してもセルモーターが回らない、エンジンがかからないと誰でも焦ってしまいます。しかし、ここでがちゃがちゃとキーを回したり、何回もボタンを押したりすると、余計なトラブルを引き起こすかもしれません。
しかし、焦ってもエンジンはかからないので、ここで解説する原因や対処方法を、いざという時のための知識として蓄えておきましょう。
車のセルが回らなくなる原因
車のセルが回らないと、車自体が故障したのではないかと不安になってしまうでしょう。
確かに何らかの部品の故障も考えられますが、他にも原因となることはあります。
原因によってはすぐに解決することもあるので、まずはセルが回らない状況を確認してください。
バッテリーが上がっている
セルが回らない一番の原因となるのが、バッテリー上がりです。
バッテリーが上がると、エンジンを起動するモーターへの供給電力が足りなくなるため、エンジンがかからなくなってしまいます。
症状としては、セルを回すときに「カチ、カチ」という音が鳴ったり、ヘッドライトやウィンカー、室内灯などの電装品が点かなくなったりします。
もし、ライトやハザードランプを点けっぱなしにしていた、バッテリーの交換を薦められていたのにしていなかった、などバッテリーの消費を加速させる原因がある場合は、バッテリー上がりのせいでセルが回らなくなっている可能性があります。
スパークプラグのトラブル
スパークプラグは、ガソリンに火花を飛ばして火を点ける役割を持っているパーツです。
このパーツにトラブルが起こると、セルは回ってもガソリンに火が点かないので、結果的にエンジンがかかりません。
スパークプラグのトラブルの場合、セルは回りますが「キュルキュル」という音しかしないので、修理工場でみてもらいましょう。
セルモーターが壊れている
セルモーターは、エンジンを始動させたりアイドリングストップしたりするときに作動するため、これが壊れてしまうとセルを回してもエンジンは始動しないのです。
セルモーターの寿命は、使用頻度にもよりますが10年から15年といわれています。
そのため、年間の走行量が多い車や、街乗りで使用している車はセルモーターの故障が原因かもしれません。
セルが回らないときの対処方法
セルが回らないとしても、原因によっては自分で対処できることがあります。
逆に、なんとかなりそうでも、修理工場に頼った方が良い場合もあるので、原因に適した対処をするようにしましょう。
バッテリー上がりは他の車に助けてもらえる
バッテリー上がりが原因の場合、バッテリー自体がダメになっていなければ、他の車に助けてもらえる可能性があります。
室内灯やヘッドライトの点けっぱなしのせいでバッテリーが上がった場合は、ブースターケーブルで他の車のバッテリーと繋ぐことで、エンジンをかけられます。
ブースターケーブルはカー用品専門店などで購入できますし、トラックなどは積んでいることもあるので、周りの人に助けを求めてみましょう。
ガソリンスタンドに相談する
もし、周りにガソリンスタンドがあれば、電話で相談してみるのもおすすめです。
スタンドによっては専門知識を持った修理工がいる場合もあるので、対応してもらえるかもしれません。
ただし、修理工であっても、実際に修理に関わることが少ない場合は、直せない可能性もあります。直せなくても、点検代などは発生するので注意しましょう。
部品の故障は修理工場に頼るのがベスト
スパークプラグやヒューズ、セルモーターなど部品や機器の故障でセルが回らないのであれば、修理工場に頼りましょう。
スパークプラグやヒューズなどは自分で交換することもできます。
セルモーターも、棒で叩きながらキーを回せばかかることもあります。
しかし、いずれの場合も間違ったやり方ではセルは回らないので、専門知識がない方は修理工場で直してもらうことをおすすめします。
ロードサービスを呼ぶ
一番スタンダードな対処法ですが、急ぎの時はJAFや民間のロードサービスを呼びましょう。
JAFの場合、会員であれば原因の究明などは無料対応になります。非会員や民間のロードサービスはそれなりの費用がかかりますし、原因によってはその場での対応ができないこともあります。
しかし、対処はお任せできるので、自分ではどうにもならない場合はロードサービスを呼ぶのがもっとも手軽な対処方法ととなります。
とはいえ、修理以外の費用が発生してしまうので、車に乗る前にエンジン音や振動などに異常がないか確認しておくのがベストです。
セルのトラブルが起こる前に対処をしておこう!
セルが回らなくなっても、エンジンがかからなくても、最終的にJAFなどを呼べば解決することは可能です。
しかし、簡単なトラブルであればその場で解決できますが、機器やパーツの劣化や故障など大きなトラブルが原因の場合は、修理工場に運ぶなどの手配が必要になるため、高額な費用がかかってしまいます。
観光や旅の途中であれば、その時点で中断するしかありません。そんなことにならないためにも、車の不調が少しでも気になる場合は、自動車分解整備認定工場である当社にご相談ください。